登録わずか2年で、お店が持てる人も

天正さんが店を持つまでには4年半がかかっている。決して遅いわけではないが、ポーラは直接雇用しているわけではないものの、オーナーやBDの養成・研修に積極的に投資。昨年、そのスピードを一気に上げ、オーナーを1年半~2年で養成する「ショップオーナー養成コース」を導入した。兵庫県・姫路駅から車で10分ほどの姫路南店で働くBD、渡邊めぐみさんはそのコースで鍛えられている真っ最中だ。

ポーラ ザ ビューティー 姫路南店 ビューティーディレクター 渡邊めぐみさん

2016年6月にBDになったばかり。大学を卒業し百貨店の美容部員を振り出しに、社会に出て10年が過ぎ、転職を考えていたとき、姫路でただ1人のグランドオーナー、満田百合子さんから声をかけられた。それもいきなり「このお店をやってもらいたい」と熱烈な誘いだ。

「ずっと昔、祖母がポーラの仕事をしていたので懐かしいなという気持ちがありましたし、美容には興味を持っていました。でも個人事業主なので安定がないのが心配でした」

その気持ちを満田さんに率直に話すと、「定年がないのよ。会社に勤めて60歳で定年になったらどうする?」と言われ、腹を決めた。

目下、BDとしての技術向上と、オーナーになるためのマネジメントの勉強、スタッフの育成と、目まぐるしい日々を送る。

「スタッフには、ちょっと先を行く先輩として、お客さまにはこうして差し上げたほうが気持ちいいんじゃないかとアドバイスしながらも、私自身が新人ですから助け合って仕事をしている感じです」

短期間でオーナーにチャレンジすることは容易ではない。だが、職場に同じコースに挑戦する後輩がいるので心強い。

「昔、美容部員をしていたときの後輩です。私がポーラで働くときに彼女も転職を考えていたので、一緒にやってみない? と誘いました。自分が働きたい人と働けるので、この仕事っていいなって思います」

オーナー養成コースに入って10カ月がたち、渡邊さんには新たな目標が生まれてきた。

「後輩と一緒に姫路駅前に新店をオープンさせたいんです。駅前でイベントを開催すると、『近くにポーラのお店はないの?』と、よく言われます。だから駅前にお店を出し、ポーラの知名度を上げたい」

駅前出店のためには、まず渡邊さんがオーナーに認定されるほかに、格好の物件を見つけるなどさまざまな条件をクリアする必要がある。それらがトントン拍子で進めば来年前半にもオープンできるという。