中島岳志氏が自称する「リベラル保守」って何?

僕は共産党は嫌いだ。でも政策的に賛成できるところはたくさんあるし、知事、市長時代も共産党議員からの質問には一番時間を割いて答えてきた。もちろんケンカになったこともあるけど、僕以前の歴代知事は、共産党の質問にはまともに答えていなかったようだ。共産党は議会運営でなんの影響力もないから無視するという姿勢。

しかし、僕は共産党の主張で採用できるところは採用していた。共産党による役所の問題点の指摘は鋭いところがあったからね。

僕自身の見解をざっと述べると、安倍政権については外交の大きな方向性は賛成。でも北朝鮮対応には反対。平和安全法制についてはもう少し範囲を限定すべき。共謀罪は、捜査権限と容疑者の弁護権権限を強化すべき。経済は金融緩和、財政出動は賛成。財政出動は公共工事ではなく教育費へ投入すべき。構造改革は物足りない。森友学園・加計学園・陸上自衛隊日報問題に対する対応には強く不満。このように政権の態度振る舞いについて語れば、個別の政策、個別の態度振る舞いについて賛成、反対は複雑に絡み合うものなんだ。それをしっかりと語っていくのが、専門家の役割だと思う。

ところが小林や中島は、安倍政権を全否定するんだよね。安倍政権がやったことは全て評価しない。とにかく自分の感覚で気に食わないことがあれば全否定。

政治なんて、人間や社会の営みを築いていくもの。そんな単純なものでないことは誰だって分かる。中島も、保守とは複雑な利害調整をするものだ、なんて偉そうに言っているけど、政治の複雑性には全く理解がない。それは「保守とは何か」なんてクソの役にも立たない頭の中だけの概念をこねくり回して日常を過ごしているから、政治の現実的なところが全く見えていないんだろうね。

そして小林は、自民党議員の不倫については当該議員を徹底的に罵り、自分のお気に入りの旧民進党の山尾志桜里議員の不倫については徹底的に擁護する。もう無茶苦茶。これがインテリとして扱われる日本は世も末だよ。

一点の賛成、反対で、全肯定、全否定することは浅はか極まりない。安倍政権がこれまでやった個別の政策、態度振る舞いに関して、賛成、反対はあるだろう。それでも政治を評価するにはこれまでの政治と比べて、また今の野党と比べて安倍政権がましかどうかで判断せざるを得ない。安倍政権の問題点ばかり指摘しても意味がない。今の野党に政権を委ねて、安倍政権よりもより悪い政治になれば洒落にもならないからね。

そうそうちなみに、中島は自分の立場は「リベラル保守」なんだって。そもそも保守やリベラルという論争自体が不毛なのに、さらに「リベラル保守」って、なんなんだ? どっちつかずで、どちらからも批判を受けないように自分を守っているだけ。それが中島の保守か? ほんとくだらない。保守やリベラルなんていう抽象論、観念論では現実の世の中の課題は何一つ解決しない。学者みたいに自由な時間をふんだんに使って自分の好きなことができるご身分とは違い、毎日汗水流して働いている多くの有権者にとっては、生活の水準が上がり、治安の水準が上がり、平和の水準が上がっていくことこそが大切なんだ。中島よ、税金で自由な時間をたっぷり与えられてきたんだから、くだらない抽象論で妄想したり、政治に文句ばかり言うんじゃなくて、少しは世の中のためになることをやれ!

もう一つ小林にちなんだ話をすれば、以前やっていた「橋下×羽鳥の番組」(テレビ朝日系)に彼を呼んだんだ。そしたら、小林の安倍昭恵さんに対する人格攻撃が酷かった。その点指摘しても彼は意に介さず。そして番組放送後、小林は「橋下×羽鳥の番組の編集は酷い。わしの重要な発言がカットされた。橋下に有利になるように編集されている。もう番組には出ない。生放送がいい」というような趣旨のことをネット上でほざいた。バカか。収録番組において編集は当たり前。しかも編集は編集担当の専権ということくらい、こっちも弁えている。編集では番組上つまらない発言がカットされるだけ。小林の話は実につまらなかったからカットされただけだ。

(略)