何度も何度も、繰り返し見てきた風景のなかにぼくは立っていた。

津波に襲われ瓦礫に覆われた町――。宮城県南三陸町志津川。テレビの映像や新聞の写真を通して町をまるごとのみ込む津波の力に驚き、おののいていた。けれども、ぼくは映像や画像からは決して伝わってこない確かな痛みをこの両肩に刻んだ、この日を決して忘れない。

(初沢亜利=撮影)