会社と社会の間で奮闘する5人の広報ウーマンが集結。周囲からはあまり見えない日々の地道な仕事から、火事場の火消し対応まで語りつくします。
(左から)井田さん●流通業界/広報歴4年、鈴鹿さん●メーカー/広報歴1年、小谷さん●人材業界/広報歴15年、福山さん●アミューズメント業界/広報歴4年、横山さん●不動産業界/広報歴14年(イラスト=林 ユミ)

毎日、こんな仕事しています

【井田】広報って、何をしている部署なのかわかりにくいみたい。うちの会社では、せいぜい「マスコミから電話がかかってきたら回すところ」って程度の認識しかない。

【鈴鹿】うちなんか、ちゃんとした広報室ができてまだ1年だから、みんな広報と広告の区別すらついてませんよ。

【福山】私たちの仕事を一言でいうと、会社のいいイメージを広めることじゃない? だから取材を受けるときの窓口になるだけじゃなく、マスコミに積極的に取り上げてもらうよう努力してる。それと同時に、こちらの言ったことが正しく伝わったかどうかも目を光らせないといけないから、難しい。

【鈴鹿】取材されてるというだけでテンションが上がっちゃって、暴走する社員もいるし(笑)。「この商品は壊れにくい」と言うべきところで「絶対に壊れない」と言い切ってしまったり……。

【横山】うちは社長が暴走することも。どうしても大きいことを言いたくなるみたいで。あとでこっそり記者さんに書かないでと伝えます。話が妙な方向に行きそうなときは、別の資料を持ち出して流れを変えることも。悪い情報が出ないようにするのも仕事です。

【小谷】そういう意味では、社員のSNSでの発言って監視してる?

【横山】匿名での発言までは追えないけれど、フェイスブックをやってる社員とは全員友達になってる。このあいだ、「裁量労働制になって残業代が減る」みたいな会社の愚痴を投稿した社員がいたの。あのときは体育館裏に呼び出して説教したわ(笑)。

【小谷】その人、震え上がっただろうね。

【横山】たとえ嫌われたって言うべきことは言わないと、会社を守れないから。