困った記者、編集者……こんなムチャ振りも!

【鈴鹿】テレビの某情報番組の取材を受けたときは参ったわ。向こうはこちらに言わせたい言葉が決まっていたみたいで、それを言うまでOKが出ないの。

【小谷】でもそれは会社として、絶対に言いたくないことだったのね。

【鈴鹿】誘導尋問されるたび、社員が目で助けを求めてきて(笑)。30分番組なのに、5日たっても収録が終わらず、最後のほうはもうケンカですよ。「ちょっとカメラ止めてください」って割って入って、「それ、言わせたいんですか」って聞くと、ディレクターが「いや、そんなことは」ってとぼけるの。

【福山】最終的にどっちが折れたの?

【鈴鹿】時間切れで、こっちの粘り勝ち。

【小谷】業界紙などで困るのは、新人さんが担当になったときかな。まだ慣れてなくて文章が下手(笑)。そういうときはていねいに訂正することでさりげなく指導したり、記事を書くときに参考になりそうな資料を多めに渡したり。やっぱり新人さんほど大事にしないと。

【井田】長いおつきあいになるものね。文章が下手な記者も困るけど、こちらの書いたプレスリリースと一字一句同じ文章が載っていたことも(笑)。

【小谷】それは拍子抜けだけど、間違いを書かれるよりは安全でいいじゃない。

【横山】普段から親しくしている業界紙の記者さんからは、「明日の紙面に大きな枠が空いたんですが、何かニュースはないですか」とムチャ振りされることも。そういうときに限って何もないんだけど、何かネタを持っていそうな他社の広報を紹介したりしますね。

【井田】さすが! そうしておけば、次はいい記事を書いてくれそう。

市来朋久=撮影 林 ユミ=イラスト