「ムリ・ムダ・ムラ」をいかに排除するか
小林氏には20人の部下がいるが、そのうち10人が女性。うち5人がワーキングマザーであり、1人は育児のために時短勤務制を取っている。しかし、「部下の性別や子どもがいるかどうか、育児中かどうかといったことは仕事をするうえでそれほど重要ではありません。それよりは、保険営業にどれだけ習熟しているか、適性があるかといったことのほうがよほど重要です」と語る。
もちろん時短勤務の女性が働きやすいように、それによって他の社員がしわ寄せを受けないようにという配慮は忘れない。そこで小林氏が心がけているのが、「ムリ・ムダ・ムラ」をいかに排除するかということ。部下たちとコミュニケーションを密に取り、適材適所の仕事と分量で、各人の最大のパフォーマンスを発揮できるような場をいかに設定するかに心を砕くが、性別のフィルターはできるだけかけないようにしているという。
ただし小林氏も男性として、働き方で気になっていることがある。
「子どもを持つ女性の場合、会社では組織人、家に帰れば主婦や母親という家庭人として自分の中で上手にバランスをとっている方が多いように思います。一方の男性は、一くくりにできないのは承知していますが、仕事一辺倒で組織人の顔しか持っていない傾向が強い印象を受けます。これはちょうど女性の活躍とは表裏一体なのかもしれませんが、男性も働き方を考えていかなければいけないでしょう」