すべては最高のおもてなしのために

【白河】お客さまが閉店で店を出た後、どのぐらい残業するイメージでしょう? その残業は恒常的なものでしょうか?

【大西】いや、恒常的にはないですね。毎週水曜日に店頭の展開が変わりますので、火曜日の夜は多少遅いという感じでしょうか。むしろ、食品売場のお取り組み先(テナントからのスタッフ)は、仕込みなどで開店前の1時間と終了後の1時間は相当大変だと思います。

【白河】営業時間の短縮は、社員の女性だけではなくて、テナントさんから来ている、食料品売場などで働いている方、すべてに影響ある取り組みでしたね。その方たちがお正月を家族と過ごせることは大きいです。いつごろから、時短について考えていらしたのですか? またそのお考えにいたるまでに、何が影響したのか、海外の事象などでしょうか?

【大西】社長になったときから、そういう考えは持っていました。店頭に立つ人たち、お取引先の方も含めて、お客さまに最高のおもてなしができるよう最高のコンディションで臨める環境を作りたいと思っていました。

日本のサービス産業、店頭で販売する人は、すごく大変です。時間が長くても、体調が悪くてもずっと立っていなければならない。

コンディションを考えると、働く時間を詰めることが大切です。営業時間が長引きますと、シフト制にする必要がありますが、シフトではコミュニケーションの問題も出てくる。たとえば、以前Aさんにいい接客をしてもらったから、またAさんに接客してもらいたいと思って行ったら、もうシフトが終って帰ってしまっていた、ということが起こります。営業時間を詰めることで、それをなくしました。ちょうど食品業界から百貨店協会に対して、時短の申し入れもあり、良いタイミングでした。

【白河】食品を売る場所も、今やスーパー、コンビニ、エキナカとさまざまな店舗がありますし、営業時間も違いますしね。

【大西】お客様の利便性を考えたら、24時間365日やればいいと思いますよ。でも、その役割はコンビニエンスストアが担っています。

【白河】役割分担ですね。

【大西】それぞれ、業態の役割があるので、当社は限られた時間の中で、ちゃんとした接客をしたいということです。