どうしたら人の心を動かせるのか?
大きな決裂がなくここまで来たのは、長谷川のカリスマ性ということか。
「いや、みんなありき、ですよ。僕たちが分裂しないのは、学生のときに始まっている、という点が大きいかもしれませんね。こっちの方がいいとか悪いとか、小さなトラブルはあるけど、大きなトラブルはない。DAZZLEにはお互いをフォローする自浄性があるんです。20年、仲間と一緒にやってこれたのは奇跡に近い。恵まれています」
その根源には、エンターテインメントとは何か、というところの一致した思いがあるのかもしれない。
「エンターテインメントには人をもてなすという意味合いがあると思うんです。もてなし方はいろいろで、提供するものが喜びだったり悲しみだったり。どうしたら人の心を動かせるのか。僕らはDAZZLEの同調性をもって情景を表現したい。誰も観たことのない、DAZZLEにしかできないことを届けたいと思っています」
この秋には20周年記念公演が決まっている。「創作には苦しみも伴うけど、作品を創りたいという気持ちがなくならない」と、長谷川は目を輝かせる。DAZZLEはますますその存在を、熱く確かなものにしていくことだろう。
大阪府大阪市生まれ。スポーツニッポン新聞大阪本社の新聞記者を経てFM802開局時の編成・広報・宣伝のプロデュースを手がける。92年に上京して独立、女性誌を中心にルポ、エッセイ、コラムなどを多数連載。俳優、タレント、作家、アスリート、経営者など様々な分野で活躍する著名人、のべ2000人以上のインタビュー経験をもつ。著書には女性の生き方に関するものが多い。近著は『一流の女(ひと)が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など。http://moriaya.jimdo.com/
ヒダキトモコ
写真家、日本舞台写真家協会会員。幼少期を米国ボストンで過ごす。会社員を経て写真家に転身。現在各種雑誌で表紙・グラビアを撮影中。各種舞台・音楽祭のオフィシャルカメラマン、CD/DVDジャケット写真、アーティスト写真等を担当。また企業広告、ビジネスパーソンの撮影も多数。好きなたべものはお寿司。http://hidaki.weebly.com/
撮影=ヒダキトモコ 撮影協力(店内)=AUX BACCHANALES KIOICHO