“1人で頑張り過ぎない”ことで子も親もハッピーに
職場では短時間勤務だからと遠慮し、家庭では家事育児は女性のものだからと頑張りすぎる女性たちに対して、「やりたいことを全部欲張って」とエールを送るのは、AsMama代表取締役社長の甲田恵子氏。AsMamaは子育てをシェアするためのコミュニテイを作る活動を行っているが、「いろいろな大人に接することで、子供は多様性や社会性を学べる」と、そのメリットを語った。
“頑張る”という言葉は、仕事、家事、育児すべてこなさなければならないという別のストレスにもなりうるが、シェア、あるいは人に任せて頑張るという視点が新鮮だ。「日本の母親はベビーシッターを使うことに後ろめたさを感じている」と指摘するポピンズ菅原氏は、「ベビーシッターを使うと、子供がやりたいこと、親がやりたいことの両方が実現できる」と発想の転換を促す。
一方で、「仕事と育児だけでなく、自分が輝く時間を確保したい」という声に、「両方とも権利であると同時に、責務。欲張るからには権利主張の前に、職責を果たすという意識が必要」という川島氏の言葉も刺さる。
発表会には経済産業政策局経済社会政策室、藤澤秀昭氏が出席し、「少子化、高齢化により生産年齢人口が減少しており、女性活躍は喫緊の課題」と述べた。政府の取り組みとして、女性や高齢者など多様な人材の能力を生かし経営上の成果を上げている企業を表彰する「ダイバーシティ経営企業100選」、優れた女性活躍推進を進める上場企業を「中長期成長銘柄」として投資家に紹介する「なでしこ銘柄」、女性起業家の支援を行っていくとした。
欧州IT事情に詳しいフリーランスライター。@IT(アットマーク・アイティ)の記者を経て、フリーで活躍中。
撮影=末岡洋子