復職ママの声が未来を開く
フルタイム勤務だけではない。短時間勤務でも会社にいる間は精一杯働いており、中核になりたい、責任ある仕事をしたいという女性は少なくないはずだ。
「復職ママも戦力だと認識してほしい」、こんな声が後半のパネルディスカッションで紹介された。発表会参加者から寄せられた声に対して、Women Willの賛同企業・組織の8名による“イノベーターボード”が、その実現のためにアイデアを出すという企画だ。
経営者の顔も持つNPO法人ファザーリング・ジャパン理事の川島高之氏は、「男性管理職の意識改革が必須」と指摘し、「復職ママを戦力と認識しないと、経営者や管理職は損だ」と続けた。三越銀座店店長を務める三越伊勢丹ホールディングス執行役員の浅賀誠氏も大きくうなずき、「復職し、短時間勤務をしていた女性社員が、売り場のリーダー職をやりたいと申し出た。制度がなかったので、人事に掛け合い制度を設けた」と明かす。この制度の下で、短時間勤務のリーダーが5人誕生したとのこと。「上司、職場の理解に加えて、制度として根付かせていくことが重要」と実体験に基づき語った。
この例のように、復職後の現状に対して諦めるのではなく、女性側から発信していくことも重要といえそうだ。ポピンズでチャイルドケアサービス部マネージャーを務める菅原櫻子氏は、「頑張りすぎると会社に迷惑がかかると思っているのでは? 仕事に対する情熱や子供の状況など、女性側から発信することでしか、チームの理解は得られない」と述べる。ファザーリング・ジャパンの川島氏、三越銀座店の浅賀氏ら男性からは、「なかなか変わらない昭和の“粘土層”を変えていく」(川島氏)、「話を聞く場を作りたい」(浅賀氏)という心強い声が出た。