では、女性管理職を増やすには何をすべきなのだろうか。それは、男性が“配慮”の仕方を変えることだ。
・「家庭事情も踏まえサポートする」と言ってもらえると安心できる(50歳/医療・福祉)
・自信をつけさせるためにいろいろな場面に連れていく(50歳/サービス)
・あまりアドバイスせず陰で支える(36歳/建設)
・自分がそれ相応の力量があることを役員が認めていると教えてくれる(48歳/卸売り・小売り)
・男性と変わりない態度で接する(40歳/メーカー)
・やらないと覚えないので、責任のある仕事をどんどんさせる(45歳/建設)
・「能力が高いのだからトライしたほうがいい」と昇進を後押し(43歳/卸売り・小売り)
・男女平等にして差をつけない(39歳/サービス)
・何があっても味方になってくれているという感覚だけで十分(46歳/サービス)
・仕事において協力することを口にし、行動してくれる姿を常に見せてくれる(49歳/不動産・リース)
・ライフスタイルの違いを考慮して話し合いの場を設けてほしい(33歳/卸売り・小売り)
・「信頼している」という気持ちを具体的に表す(55歳/メーカー)
女性が管理職になる際に背中を押された言葉として、「任せる」を挙げた人が圧倒的に多かった。男女問わず、あなたの能力を信頼してこの仕事を任せると言われて奮起しない人はいないだろう。「任せる」という一言のなかには、普段から自分の仕事を見て評価しているというメッセージも含まれている。ことさら女性である点を意識するわけではなく、部下の仕事を普段からよく見て評価して言葉にすることが、結果的に女性のやる気を喚起することにつながるのである。
女性管理職を育てるということは、女性を特別扱いするという意味ではない。むしろ、男女の区別なく同じように育てるということであり、なにより女性はそれを求めているようだ。
※連載【女性管理職が育つ職場、つぶされる職場】次回は、女性管理職が育つ会社研究[イケア・ジャパンの場合]を3/1に配信します。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 営業統括部 営業1部2グループ マネジャー。2003年HRR(現・リクルートマネジメントソリューションズ)に入社。12年より女性活躍推進をテーマとした商品の開発、サービスラインアップの構築を行うプロジェクトに携わる。
イラスト=網中いづる