政府が鳴り物入りで女性管理職の数値目標を設定し、女性活用の掛け声は勇ましい。本誌では男女1000人にアンケートを実施し、管理職への意欲や管理職になるために必要な条件などを尋ねたところ、笛吹けども踊らずという、なんとも寂しい状況が浮かび上がった。結果をもとに、一体何が女性の管理職進出を阻んでいるのか。その心理的、物理的側面を読み解いた。

▼「女性は本当に管理職になりたくないのか【前編】」はこちら→http://woman.president.jp/articles/-/1091

調査概要:楽天リサーチの協力を得て、インターネットを通じて女性一般社員250人、女性管理職250人、男性管理職500人を対象に調査を実施。期間は2015年5月19日~22日。

ズレた配慮が女性を失望させる

さて、今回の調査では、昇進や処遇を「男女平等にしてほしい」という女性からの切実な声が多数寄せられた。これまで男性上司の多くは、「女性は結婚や出産で仕事を続けられない可能性があるから、重い仕事はかわいそう」と、女性に責任のある役割を与えないようにしてきた。しかし、このような“ズレた配慮”が、知らぬ間に女性に管理職をあきらめさせる要因になっていく。

リクルートマネジメントソリューションズの荒川陽子さんいわく、女性が管理職をあきらめるステップには4段階あるという。

●女性が管理職をあきらめるステップ

(1)入り口が違う
一般職・エリア総合職・総合職で、給与のベースが違うので、同じ仕事をしていても、結果的に収入に差が出る。

(2)昇進の早さが違う
総合職で男性と同じ位置に立てても、女性は男性より難易度の低い仕事を与えられがちなため昇進が遅れる。

(3)フォローのタイミングが違う
女性はフォローなしでも最初からそつがなく、男性と違い小さな失敗を経験せずに大きな仕事でつまずく。

(4)産休・育休のブランクが響く
復帰後は子育てとの両立のため、時短勤務や配置転換などで、昇進や昇給と縁遠いマミートラックに乗せられる。

上司の適切な“配慮”が女性をつぶさないカギに!

まず、就職するときに一般職やエリア総合職などで就職し、スタートの時点で男性と入り口が違うこと。大幅な転勤がないとはいえ、同じ仕事をしていても収入に差がついてしまい、不満がたまってしまう。

イラスト=網中いづる

次に、昇進の早さが男性と違うこと。男性と女性で任される仕事の難易度に差をつけられてしまい、結果的に男性の査定が高くなるため、昇進スピードにも差が出てくる。

3つ目は、上司のフォローの差によるもの。男性は若手時代に小さな失敗をたくさんするが、女性は失敗が少ないぶん、上司は自然と男性のほうを気にかけることになる。女性は失敗の経験が少なく、上司の目も届かないため、数年後、難易度の高い仕事の際にはじめて大きな失敗をすることがあり、かえって自信を失ってしまう。

最後は、産休・育休のブランク。時短勤務や配置転換などでマミートラックに乗ってしまうと、管理職への道に戻ることは困難だ。