先進国にもかかわらず、女性活躍で遅れをとる日本

株式会社CHANCE for ONE代表取締役社長 清水レナさん。女性活躍推進コンサルタントとして活躍する。

日本の女性活躍の状況はどうなっているのでしょうか? 現在、日本の女性管理職比率は11.2%。政府が打ち出している「2020年までに、社会のあらゆる分野において、指導的立場にある女性の割合を30%にする」という目標にはほど遠い状況です。

日本の女性就業率は他の先進諸国と比べて大差がないにも関わらず、その管理職比率だけが著しく低いのです。「『先進国なのに、なぜこれほど女性が活躍できていないのか?』と、海外からも疑問の声があがっている。女性自身も、こうした状況について知らない人が多いのでは」と清水さんは言います。「『女性部下はマネジメントが難しい』という言葉を、日本の企業でよく耳にするが、結局これは数の問題。女性が圧倒的なマイノリティー(少数派)という状態を変える必要がある」と強調します。

「昇進したいのにできない」のではない

日本では、なぜ女性管理職が少ないのでしょうか。社会人が管理職になるには、「正社員であること、総合職であること、昇進意欲があること」という3つの条件を満たす必要があります。清水さんによれば、これらの条件を満たす人の中で、女性が占める割合を計算すると、7%しかいないことになるそうです。「実際の女性管理職比率は11.2%なので、条件を満たしている人の中で管理職になれている人の割合は高いという見方もできる。つまり、条件を満たす人が管理職になれていないのではなく、条件を満たす人が少ないことが原因。その母集団を増やす必要がある」と清水さんは分析します。