国が労働時間を規制すべきか?
長時間労働に関しては、私はドイツのように国が労働時間規制を強く入れるほうがいいと発言しました。なぜならドイツと日本は非常に環境が似ている。「ほうっておくと働き過ぎてしまう気質」だからです。またドイツにも「カラスの母親」ということばがあり、「仕事ばかりで育児をしない母親はカラスの母親といわれ、批判される」そうです。良妻賢母の縛りがあるところも日本と似ています。
モデレーターである仲條亮子さん(Google執行役員)が、その場で「国が労働時間の規制をいれることに賛成、反対」で手を挙げるよう促すと、経営サイドの有識者は「労働時間を国がコントロールすることには反対」という人が多い。小室淑恵さんから「経営者からは労働時間について国が規制をすることに抵抗が多い。決められた労働時間を守って業績をあげる企業には法人税を下げるなどのインセンティブを」という発言もありました。
私は「最近の一番仕事にやる気のある女子大生にアンケートをとると、早く結婚して早く出産して、バリバリ仕事もしたいと思っている。若い育成期は仕事のことだけを考えなければいけないという風潮は違うのではないか?」と発言しました。
するとおもしろいことが起きました。隣のメラニー・バービアさんが私の手をとって「あなたの言う通り。最近の若い世代、ミレニアム世代の価値観は違う。それに対処していかなければいけない」と言ってくれたのです。
それを皮切りに韓国、タイ、オーストラリア、それぞれのトップクラスの女性たちから「変化が起きている。人生における優先順位の大きな変化を見るべき」「面接時にまず『何日休暇があるか?』と聞く。お金だけではない。若い世代はWLBを求めている」という発言が相次ぎました。
米国では今若い女性たちは「セクハラへの対処や年間の休暇について雇用条件を自分からオファーしている。柔軟な働き方を提案したり、オファー競争が企業間で起きている」状態ということです。