各国とも、男性の家事参加に不満

WAW!は、昨年から始まったイベントで、世界各国の有識者が集まります。「女性であることが、レイプや命の危険につながるような過酷な環境」の女性から、ガラスの天井を破ろうと努力する先進国の女性までいるのですから、問題を共有することだけでも大変です。日本の特徴は、女性に関しては、先進国とも発展途上国とも共有できる問題があるということです。

この「ワークライフ・マネジメント」というテーマについても、さまざまな環境の違いを感じました。例えばミカエリア・キャッシュ氏(豪)が「男性の家事、育児への参画については、豪州においても満足できる状況ではない」と発言しましたが、豪の男性は日本の男性の約3倍の育児、家事時間があります。男性が家事育児に参画する豪、米と、メイド、ベビーシッターが当たり前のアジア……全く日本の環境は違うのです。おもしろいことに、このような問題を海外の女性と論じると、日本よりもはるかに男女共同参画が進んでいる国でも、自国の男性たちの家事・育児への参加度には満足していないことがよくわかります。

各国の男女ともに「ワークライフマネジメントはnever endingの課題」という共通の認識がありました。その上で、特に日本の「長時間労働」や「硬直的な働き方」が課題としてとりあげられました。

日本はITの技術がありながら、「管理職の無知や意識」の問題で「柔軟な働き方が実現できていない」のです。「トップがITオンチなのがいけない。全員に研修をしたほうがいい!」という意見も出たぐらいです。