2020年までに課長職以上に占める女性比率を30%にするという政府目標。達成するために、企業に目標設定や自主行動計画の策定などを義務づける「女性活躍推進法」も制定される予定だ。

この動きを先取りして女性登用計画を公表する企業が相次いでいる。現状の管理職数の2~3倍の目標を掲げるところもあれば、ライバル他社に負けるなと人事部を叱咤(しった)し、過大な数値を掲げさせる経営者も。

そんな要請に対して悲鳴を上げているのは企業の人事部だ。住宅関連メーカーの人事課長は、「経営トップは女性管理職を増やせと言っているけど、30%を達成しようにも女性社員が全体で2割もいない。課長になる手前の係長も5%しかいないのが現状で、全員を課長に上げても足りません。すでに女性の課長候補のほとんどは昇進させたために、課長手前の女性社員の空洞化が発生しています」と語る。