がんばったもの勝ち
練習は、はっきりいって好きじゃありません。だって、きついし、苦しいし、痛いし……。自分より体重の重い選手二人を背負って走ったり、床に座った状態から腕の力だけでロープ登りをしたりするのが、楽しいはずないじゃないですか。
まあ、なかには伊調馨選手(リオデジャネイロオリンピック女子58キロ級代表)みたいに、練習大好きという変わった人もいますけど、そういうのは例外中の例外。私はレスリングは好きだけど、練習は嫌い。やらなくてもいいならやりたくない。
でも、練習します。朝は誰よりも早く道場に行って体を動かすし、練習中は絶対に手を抜かない。
強くなるにはそれしかないからです。
父はよく「がんばったもの勝ち」と言っていました。練習でどれだけがんばったかが、試合の結果となって現れるというのです。
私もそう思います。どんなに素質があっても、また輝かしい実績があっても、練習を怠っていたらその選手は絶対に勝てません。実際、強豪と称される選手は例外なく、ものすごく練習をしています。
これはレスリングだけでなく、どんな競技でも一緒でしょう。
強くならなくても楽しめればいいから、練習もほどほどでいいという考え方もあるのかもしれませんが、私には理解できない。
だって、普段楽な練習しかしていなければ、試合に出たらまず負けます。楽しめればいいといったって、いつも負けてばかりじゃ楽しくないですよ。