試合に勝てばコーチにほめてもらえるし、応援に来てくれた人も喜んでくれる。自分がこれだけ強くなったと実感することもできます。一度そういう気分を味わうと、よし、次も勝とうという気持ちが湧いてくる。

じゃあ、勝つにはどうするの。もっと練習するしかないじゃないですか。

ただし、現実には、練習のがんばりが必ずしも結果に結びつかないこともあります。私が練習している至学館のレスリング部にも、毎日必死で練習しているにもかかわらず、どうしても勝てないという選手が何人もいます。

やってもやっても結果がついてこないのに、それでも厳しい練習を続けるのは、かなりキツいと思います。

じゃあそういう選手には「がんばったもの勝ち」は当てはまらないでしょうか。

決してそうではありません。

自分はこれだけの厳しい練習に耐え抜いたという事実は、生きていくうえでなにものにも代えがたい自信をその人に与えてくれるからです。

選手生活を終え社会に出れば、いろいろな困難が待ち受けているでしょう。そういうときも、高校、大学とがんばって練習を続けた選手なら「こんなものあのときの苦しさに比べたらたいしたことないじゃん」と余裕で乗り切ることができるはずです。

だから、やっぱり、がんばったもの勝ちなんです。