スポーツは男性のもの。女性の入る余地なし
まず男性に限って見れば、スポーツの起源は大変古いです。古代エジプトには、すでに宮廷娯楽としてのレスリングや重量挙げがありましたし、古代ギリシャでは「健全な肉体に健全な精神が宿る」と考えられ、自由市民の教育で知育・徳育に加え「体育」が重視されました。また古代ローマでは軍事訓練という実用性の側面から、スポーツが盛んに行われました。さらに、教育・軍事の必要性から始まったはずのギリシャ・ローマのスポーツは、その後次第に競技場で大会が催される一大イベントとなり、特にギリシャの大会は、最終的には都市国家オリンピアで「守護神ゼウスに捧げる4年に1度のスポーツの祭典」という、古代オリンピックの起源となりました。
その後もヨーロッパでは、中世には騎士道習得の一環としてのスポーツ(乗馬や剣術)が発達し、また近代には農村の貧困層の中で生まれ、都市部で洗練されていったスポーツとしてサッカーやボクシングが誕生し、娯楽的なスポーツとして定着していきます。しかし残念ながら、そこに女性が入り込む余地はありませんでした。