初参加の日本人女子が陸上で銀メダル!

実はこのアムステルダム大会には、1名だけですが日本人女子選手も参加しています。日本人女子初めてのオリンピック選手となる、人見ひとみ絹枝です。彼女は陸上女子800mに出場し、見事銀メダルを獲得しました。その後も彼女は日本に海外のスポーツ事情の紹介や後進の育成など精力的に活動し、日本における女子スポーツの基礎をつくるのに貢献しました。ちなみに日本女子初の金メダリストは、第11回ベルリン大会(1936年)に出場した、競泳女子200m平泳ぎの前畑秀子です。

その後、女子が参加できる種目数は増え続け、それにともない参加する女子選手の数も増えていきます。そして、ついに冬季オリンピックでは2002年のソルトレークシティ大会から、夏季では第30回ロンドン大会(2012年)から、全種目で女子の参加が可能となりました。

内閣府の「男女共同参画局」ホームページによると、IOCは2014年に「オリンピック・アジェンダ2020」を採択し、男女平等の推進として「女性の参加率50%の実現」と「男女混合の団体種目の採用の奨励」を目標に掲げています。

そのため来年の東京大会から新たに男女混合種目が採用され、女子の参加率が過去最高となる見通しなのだそうです。クーベルタンの時代からすると、考えられないことですね。IOCも変わりました。

蔭山 克秀(かげやま・かつひで)
代々木ゼミナール公民科講師

「現代社会」「政治・経済」「倫理」を指導。3科目のすべての授業が「代ゼミサテライン(衛星放送授業)」として全国に配信。日常生活にまで落とし込んだ解説のおもしろさで人気。『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』(KADOKAWA)など著書多数。