ビジネス・戦略
百戦百勝は最善の策ではない。戦わないで勝つことがベストだ――『孫子の兵法』より
[1]『孫子の兵法』
守屋 洋訳/知的生きかた文庫
『孫子』からは、多数のライバルがいるなかでの振る舞い方を学べる。「解釈によって内容に矛盾の生じることも多い『孫子』だが、本書では筋が通るように訳されています」。
[2]『戦争論 レクラム版』
カール・フォン・クラウゼヴィッツ/芙蓉書房出版
『戦争論』では相手の本質を見極めるための「重心」という観点について述べられている。「『戦争論』は難解な本です。重要な部分だけを抽出したレクラム版をおすすめします」。
[3]『ベスト&ブライテスト』(上・下)
デイヴィッド・ハルバースタム/朝日文庫
「覇権国アメリカを揺るがしたベトナム戦争を描く。イラク戦争で同じ轍を踏みかけたアメリカ軍がうまく立ち直った経緯は『アダプト思考』(武田ランダムハウスジャパン)でどうぞ」
[4]『陸軍士官学校の人間学』
中條高徳/講談社+α新書
低迷に喘いでいたアサヒが日本のビール市場のシェアNo.1に返り咲く――。「当時、アサヒの重役だった中條さんが、孫子の兵法をビジネスに生かして逆転劇が起こった経緯がわかります」。
[5]『孫子・戦略クラウゼヴィッツ』
守屋 淳/プレジデント社
『孫子』と『戦争論』を対比しつつ、「戦略とは何か」について探求していく。「『孫子』と『戦争論』の違いが詳しく解説されています。両書を読み解くための副読本としておすすめです」。
[6]『甲陽軍鑑』
佐藤正英訳/ちくま学芸文庫
「戦国最強軍団をつくった武田晴信(信玄)、勝頼2代にわたる言い伝えや心構え、戦い方などが記されています。偽書説もありましたが、近年、再評価が進んだ古典です」
[7]『正史 三国志』全8巻
陳寿、裴 松之/ちくま学芸文庫
「読み物として楽しめる小説や漫画の『三国志』でももちろんいいのですが、ぜひ歴史書としての『三国志』を読んでみてください。等身大の英雄たちの姿も実に魅力的です」