エネルギーを取り巻く環境が変化するなかで、個人、企業、そして社会には何が求められるのか──。家庭から自治体まで、幅広くエネルギーに関するアドバイスを行っている環境エネルギー総合研究所の大庭みゆき代表に聞いた。
自分に合った服を選ぶようにエネルギーを選ぶのにもセンスが必要

大庭みゆき●おおば・みゆき
株式会社環境エネルギー総合研究所
代表取締役所長


九州大学大学院工学府博士課程修了。1982年に財団法人省エネルギーセンター九州支部に入社。98年に有限会社環境エネルギー総合研究所を設立し、同社社長に就任。2006年に同社を株式会社環境エネルギー総合研究所に組織変更し、現在に至る。自治体の環境審議会委員なども歴任し、環境省のビジネスウィメン第3期メンバーとして国の環境行政にも関わる。

 

上手に付き合うコツは「需要パターンを知る」こと

電力小売りの全面自由化がいよいよ4月からスタートする。さまざまなメディアで、独自のサービスや割引プランなどを目にする機会も増えているが、消費者の反応はどうなのだろうか?

「インターネットなどで熱心にお得なサービスを探す人がいる一方で、しばらく様子を見ようという人やあまり意識していないという人もいます。また世代や地域によっても関心度は違っていて、なかなか一様には語れません」と環境エネルギー総合研究所の大庭みゆき代表は語る。そこであらためて、今回の自由化の目的についてまとめてみよう。自由化によって期待されるのは、主に「家庭でも電力会社を選べること」「電気料金の抑制」「家庭などがライフスタイルに合わせた節電ができるようになること」「事業者の事業機会の拡大」の4つだ。