今は彼女がいないイシダさんだが、結婚は真剣に意識しているという。

「でも、奢ってあげて『ありがとう』のメールがない女性はその時点でNG。ブランドバッグを持ってるだけで嫌です」

家計費を渡したらパーッと使ってしまうような人では困る。会社が傾いたときさっと「へそくり」を出してくれるぐらいがいい。たとえ年収100万円でも貯金する姿勢のある人がいい。それなのに、合コンやパーティに来るのは「基本は男に寄りかかりたい」という女性ばかり。

「男が金持ちになるんじゃなくて、女が男を金持ちにするんだよ。30代女性が社長をつかまえる可能性はかなり低い。合コンに来るより、若い社長の卵を見つけて磨いて真の男にするほうがいいよ」

今のいい暮らしじゃなくて、10年後を見られる女性が本当のセレブ妻になれるというのがイシダさんの持論。自分もさんざん痛い思いをして得た教訓だ。

「僕は年収350万円のときに結婚しましたよ。起業したばかりで借金もあったし、妻のほうがずっと稼いでいました」

と言うのは別の会社社長ハヤシさん(39歳、年収1200万円)。結婚したのは33歳のとき。会社が成功するまでは結婚しないと思っていたが、彼女のお父さんが入院し、挨拶に行った直後に亡くなったことがきっかけとなった。

妻は今、子育て中だが、自宅でフリーの仕事をしている自立した女性。「成功しないと結婚できない」と思っていたのは、ただの言い訳だったとわかった。

「家族がいることで頑張る原動力になる。彼女はキャパの広い女性。やりたいことがある男は孫悟空でいいんですよ。お釈迦様の手の平の上で好きにやる」

婚活ブームで、年収600万~1000万円台くらいの未婚男性に「モテバブル」が来ている。多くの女性たちが数少ない彼らを狙って争いを繰り広げるのが現代の婚活市場。しかしそれゆえに、男性も妻を選びきれず、逆に結婚しにくくなっている。そして彼らが独身でいることで、期待して未婚のまま引きずられる女性がいる。それこそが婚活ブームの新たな犠牲者なのかもしれない。