レンガ敷きの明るい墓地が増えている
それでもなお、都心に近い便利なところに墓を持ちたいということであれば、一般的な墓地とは異なるものの、「納骨堂」や「霊廟」など、1つの建物に多数のお骨を納める形式の墓を求めるという道がある。全国的にはまだまだ珍しいものだが、東京都区部に限れば、かなり多くの寺院などが運営するようになっている。
一方、東京でいえば八王子や町田方面へ出れば、さまざまな民営墓地が開発・販売されている。最近は、ニーズの変化にともない和風の墓地が少なくなり、代わって植栽を増やし歩道にレンガを敷き詰めた、明るいイメージの洋風の公園墓地が増えてきた。
霊園全体の大きさとしては、かつて流行したような1万平方メートルを超える大規模開発は影を潜め、それよりは小型の、いわば中規模の霊園が主流になっている。そもそも民営墓地はデベロッパー(開発業者)が単独で、もしくは石材業者の出資を仰いで造成し、出資金額に基づいて複数の石材業者が分担して販売する、という仕組みが一般的だ。墓地によっては石材業者が1社ですべてを販売する場合もあるが、ふつうは、5~10社の業者が1つの霊園に相乗りしている。
千葉県なら値段3分の2で広さは3倍
墓を建てるための費用はどのくらい必要か。これは分譲マンションと同じで、土地代(墓地の場合は永代使用料)と上物代(墓石代のほか加工代)の合計である(実際には、これに管理費が上乗せされる)。
土地代と上物代とを明確には区別しにくいところも、マンション価格と類似している。だから墓地一式をつくるときの費用は、「墓地+墓」の一体料金(総額)でみることになる。
図は、当社・お墓案内センターが調べた地域別の一体料金の相場である。各地域の「売れ筋」となる墓地を抽出し、広さと総額、管理費を算出した。
これによると、東京23区内では0.67平方メートルの墓が総額305万円強。しかも、その広さの墓でも年間管理費は1万5000円ほどかかる。
当然のことながら、地価の高い場所では墓地の面積が狭く、総額も高いというわけだ。千葉県下では、23区の3倍強の広さの墓を、3分の2強の費用で買えるのである。