競合企業と合同で取り組むメリットも
そして、構造上の問題も明らかになりました。問題はやはり「働き方」です。クライアントの都合に合わせなければいけない営業の常として、長時間労働、頻繁な出張がある。しかし「労働時間と達成率には相関がない」という資料があるそうです。「画一的な働き方」「移動時間の長さ」「短期間の成果を要求される評価の問題」などの課題を切り分け、働き方の改革、時間によらない成果の評価、さまざまなアイデアが出ました。
構造上の問題を改革するためにはトップのコミットメントが必要だと考え、この企画には最終プレゼンの前の段階から各社の部長クラスに参加してもらいました。
「わかっていなかったということがわかった」
というある男性上層部の声が、経営層への働きかけの効果を現しています。また他社の役員とのやり取りでの気づきも大きかったそうです。
「7社でやることが対外的なメッセージという意味では大きかった」と企画サイドの二葉さんも言います。
「IBMの会議システムがすごい」「日産の会議のやり方は効率的」と、協業で他社のシステムを知ることができ、より効率的な働き方へのヒントもたくさん見つかりました。
切磋琢磨する中で、会社は違っても同じ悩みと目的を共有する仲間を得たことも、女性たちのモチベーションアップにつながっています。例えばサントリーとキリンなどライバル関係にある会社です。
「商売敵なので、言える部分と言えない部分はあります。でもビール業界ならではのつらさや、ワーキングマザーならではの悩みはサントリーさんと一番分かち合えるところがありました」(西さん キリンビールマーケティング)