人間の脳内には、ミラーニューロンという神経細胞があります。通称「共感脳」と呼ばれ、他人の行動を見るだけで、まるで自分が同じ行動をしているかのように脳を反応させる神経細胞です。ミラーニューロンは、文章を読むだけでも活性化します。憧れの学校のキャンパスライフが書かれた雑誌を読むだけで、まるでそこに自分がいるかのように脳が反応します。ですから、見学に行く時間がなければ、雑誌の学校特集を見せるだけでも効果があるでしょう。
ちなみに、親はつい言葉で勉強するメリットを伝えがちですが、それは逆効果。間接的に「勉強しろ」と言っていると思われると、かえってモチベーションを下げるので要注意です。
また、男の子の場合、学校に好きな子がいたら、やる気がない症状とは無縁でしょう。というのも、好きな女の子がいると性衝動を高める男性ホルモンであるテストステロンの分泌が増えるからです。テストステロンが増えると、積極的に物事に立ち向かう気持ちが生まれます。
ですから、夏休み明けにやる気がない男の子には、学校に好きな女の子はいないか、失恋してしまったのかもしれません(笑)。
STEP2 行動を変える まず、やってみよう
次に紹介するのは、行動でやる気を出す方法。とにかく、「まず、やってみる」というものです。
人間は何かを始めるときに、最もストレスを感じます。脳内では、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されています。これが何かをするときの心理的ハードルになります。
そこで、ストレスを無視して、とりあえずやってみます。すると、今度は「切りがいいところまでやらないと気が済まなくなる」という脳のクセが出て、すぐにやめられなくなります。
たとえば、いつも何の気なしに始めてしまう、プチプチ(気泡緩衝材)つぶしを思い出してください。始めたら最後、全部つぶさないと気が済まなくなりませんか?(笑)。勉強でも、それと同じことが起こるのです。
このとき、脳では「イヤだと思っていた勉強だけど、意外とコルチゾールは少ないぞ」と認識しています。このことが、イヤだったことも始めてみると案外続けられる理由なのです。