生命保険でもお金が借りられる

定期預金はないけど生命保険なら入っている、という人は、生命保険でお金を借りる方法もあります。これは「契約者貸付」という制度で、生命保険の解約返礼金を担保にお金を借りるしくみです。契約者貸付を利用できる保険は終身保険、養老保険、学資保険といった貯蓄型の保険に限られ、掛け捨て型の保険は通常、対象になりません。

契約者貸付で借りられる金額は、解約返戻金の6~7割程度で、金利はその生命保険で決められた予定利率プラス1~2%程度。生命保険の予定利率は現在年1.5%前後で20年前でも3%台ですから、カードローンなどに比べればはるかに低い金利で借りることができます。もし予定利率2%の保険で貸付利率4%で借りる場合、10万円を借りて3カ月(90日)後にまとめて返せば、支払う利息は986円です。

契約者貸付のしくみや手続きは保険会社によって違うので、証券番号を調べた上で生命保険会社に連絡してみましょう。通常、手続きしてから1週間程度で指定した口座にお金が振り込まれます。返済期限はありませんが、借りている期間中はずっと金利がかかるので注意が必要です。また、生命保険は目的があって加入しているはず。必要なときにお金が足りなくなったりしないためにも、なるべく早く返済することが大切です。

高金利のお金を借りるより親に頭を下げよう

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お金が足りないときの4ステップ

部屋を見回しても売れるものもないし、貯金も生命保険もない……そんな人は、最後の手段。親や家族に頭を下げて、お金を借りてください。そして必ず返すこと。「そんなのイヤ」と思うでしょうが、その状態で高金利のお金を借りたら、自転車操業になるのはまず間違いありません。下手をすれば借金がどんどん膨らんでしまうかも。そうなるより、ここで一度、イヤな思いをしたほうがいいと思うのです。

足りないお金を作るのは大変なこと。それより、買いたいときにちょっと我慢するほうがずっと簡単です。この秋をなんとか乗り切ったら、次のボーナスは計画的に使いましょう!

マネージャーナリスト 有山典子(ありやま・みちこ)
証券系シンクタンク勤務後、専業主婦を経て出版社に再就職。ビジネス書籍や経済誌の編集に携わる。マネー誌「マネープラス」「マネージャパン」編集長を経て独立、フリーでビジネス誌や単行本の編集・執筆を行っている。ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。