ハードな運動より、ゆるーい運動がいい

血管のばしは、誰でも簡単にできる、ゆるーい運動です。「こんなゆるーい運動で、降圧に効果があるの?」と思った人も多いでしょう。

でも、実は「ゆるーい」からこそ、効果があるのです。

というのも、強度の高い筋トレなどのハードな運動は、血圧を上げてしまう可能性があります。

例えば、スポーツジムにある非常に重いバーベルを持ち上げるとなると、ぐっと歯を食いしばって、強い力を出そうとします。そうやって力んだときに、血圧が上がるリスクがあるのです。

自宅でできる腹筋やスクワットも同様です。力まず軽々とできる場合は問題ありませんが、ぐっと強い力が入ってしまう場合は、一時的に血圧を上げてしまうので、高血圧の人は注意が必要です。

また、強度の高い筋トレは無意識のうちに呼吸を止めがちです。呼吸を止めてしまうと、血圧はさらに上がってしまいます。

このようなことからも、血管のばしのような、ゆるーい動きが高血圧対策には適切。そして、血管のばしは、ゆるーいながらも、血管を柔らかくして血圧を下げる効果をしっかりもたらします。

【図表2】歯を食いしばるような強度の高い運動は、高血圧にはNG
イラストレーター=さとうりさ

有酸素運動は高血圧対策におすすめ

先にお伝えしたように、歯を食いしばるような運動は、高血圧の人には適しません。

家光素行『科学的に正しい 血圧を下げるストレッチ 血管のばし』(Gakken)
家光素行『科学的に正しい 血圧を下げるストレッチ 血管のばし』(Gakken)

一方、「有酸素運動」と言われる運動は、血管のばしと同様、力むことがないうえにNOの分泌効果も高いので、高血圧対策にもおすすめです。

有酸素運動とは、酸素を体内に取り込みながら、比較的長い時間をかけて行う運動のことです。ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどがよく知られています。

また、有酸素運動は脂肪燃焼効果も高いので、肥満の改善が必要な人にとっても有効です。肥満は、高血圧の直接的な原因にはなりませんが、肥満の人は高血圧を発症しやすい傾向にあります。

ただし有酸素運動は、天候に左右されやすい、外に出るのがおっくう……など、血管のばしに比べて、面倒な点や、時間の制限があります。それゆえに、「なかなかやる気にならない」「続けられない」という声を多く聞きます。

そういった人は血管のばしを実践していただければ十分。一方、苦にならない人であれば、有酸素運動はNOの分泌効果が高いので、ときどきでも取り入れると一層効果的です。

【図表3】有酸素運動も、NOを増やす!
イラストレーター=さとうりさ