選挙にはSNS運用が欠かせなくなった
2024年の永田町は、激動の1年だった。岸田内閣の退陣、総選挙での自公過半数割れなどいろいろあったが、個人的な一番のサプライズは、私が石破内閣でも参与を続投することになったことだ。
総選挙も含めて、24年の選挙は57年間永田町にいる私でも驚かされることが多かった。特に、ネットの影響力の大きさを思い知らされた。7月の都知事選では、広島県安芸高田市の前市長石丸伸二氏が、立憲民主党の幹部だった蓮舫氏をおさえて2位に躍進して、石丸現象と呼ばれた。
10月の衆院選では、ネットで話題を集めた国民民主党が大きく得票と議席を伸ばした。野党では立憲民主党も議席を増やしたが、こちらは得票数はそれほど伸びていないので、一番ネットの恩恵を受けたのは国民民主党だろう。
さらに、11月の兵庫県知事選では、パワハラなどの疑惑で失職した斎藤元彦氏がSNSで若者の支持を広げて再選した。この選挙でのSNS運用に関するPR会社の動きが公職選挙法違反に問われるという新たな問題も起きている。この1年間の選挙の主役はまさに「ネット」だったと思う。
22年の参院選で元ユーチューバーのガーシーこと東谷義和被告が当選してしまったころから、ネットで話題になった人がある日突然当選してしまう怖さを感じていたのだが、今年のさまざまな選挙結果はSNSが選挙の重要な要素の一つとなったことを表している。ネットでの選挙運動は、既存の公選法で管理できない面も多く、有権者の動きを読めないので、政界の関係者は怖さを感じていると思う。
しかし、悪いことばかりではない。国民民主党や兵庫県の斎藤氏に投票した人の中には、SNSの情報を鵜呑みにしたわけではなく、街頭演説の予定などを検索して、リアルで候補者の訴えを聞いたうえで投票先を決断した例も多いという。その証拠に、兵庫県知事選では投票率が前回を14.55ポイント上回っていた。SNSはこれまで政治に関心がなかった層の目を選挙に向けることに成功している。
だからこそ、これからの選挙はネット社会に適応しないと生き残れないと思っている。私のような古い人間は、もっと危機感を持つべきだと思っている。来年はⅩなどのSNSをはじめようか、迷っているところだ。
こうした選挙の結果、自公連立政権は少数与党となったが、石破茂首相を中心に臨時国会で野党の意見もよく受け止め、質問にも真面目に答えていて、聞きごたえのある論戦になっている。国会はまだアナログの世界ではあるが、幅広い国民の意思を政治に反映するという面では、自民一強時代とはまた違った良さが見えていると思う。
こうした石破首相の国会での姿勢は評価も高く、自民党総裁選期間中に首相自身が話していたように、予算委員会できちんと議論してから解散というスケジュールを選択していれば、選挙結果も違ったかもしれない。
石破首相にとって国会論戦は得意分野で、無難に乗り切ることは就任前からわかっていたが、外交については不安視する声もあった。特に、前任が「外交の岸田」として国際社会でも有名だっただけに、比較されて不利になるのではとの心配もあった。
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