呼吸を止めると「いきみ」が起こる

ストレッチで体を伸ばしているときに、無意識のうちに呼吸(息)を止めていませんか?

血管のばしでは「呼吸を止めないこと」が、とても重要です。

呼吸を止めると下腹部に力が入り、排便時のふんばりのような「いきみ」が起こってしまうからです。

強いいきみは一時的に血圧を上げて、心臓に負担をかけます。せっかく血圧を下げるためにストレッチを行っているのに、血圧を上げてしまっては本末転倒。もちろん、血管を柔らかくする効果も得られなくなってしまいます。

血管のばしには、特別な呼吸法は必要ありません。自然な呼吸でいいので、とにかく、「呼吸を止めないこと」が大事なポイント。ゆっくり自然な呼吸を続けましょう。

どうしても止めてしまう人は、声に出して数を数えながら行うといいでしょう。

また、特に上半身を伸ばすストレッチでは、呼吸がしにくい状態になりがちですが、血管のばしは、ほぼ下半身のストレッチです。そのため、気道を確保しやすく、呼吸を邪魔しません。

この点も、血管や血圧ケアを意識したストレッチである血管のばしの特長です。

【図表2】血管のばしルール 呼吸を止めない
イラストレーター=さとうりさ

継続することで少しずつ血管が柔らかくなる

血管のばしには、血圧を下げる効果があります。しかし、1度実施しただけで恒常的に下がるわけではありません。

継続することで少しずつ血管が柔らかくなっていき、それに伴って血圧も下がっていくのです。

図表3は、血管のばしを行う前から実施後約60分までの血管の柔軟性の変化を計測したものです。

グラフを見ると、血管のばし実施中から血管は少しずつ柔らかくなっていき、やめたあとも約30分は柔軟性が増していきます。しかし、約60分後には、開始前の硬さ近くまで戻ってしまいます。

つまり、伸ばした直後に高まった柔軟性は、長期的には維持できないということ。

だからこそ、1回限りではなく、継続して行うことが重要なのです。

繰り返し行うことで「ベースの硬さ」(ふだんの血管の硬さ)が少しずつ柔らかくなっていき、血圧も少しずつ下がっていきます。

その変化こそが、一時的な改善ではなく、根本的な改善になっていくのです。

血管のばしに限らず、世の中にあるどんな血圧対策も、継続しなければ、「一時的な効果」に過ぎません。血圧を恒常的に安定させるためには、続けることが必須です。

そのためには、苦にならない「続けられる内容」であることも重要。血管のばしは、その点を考慮したメソッドです。