米シンクタンクが9月に発表した提言が、日本でも議論を呼んでいる。日米同盟を解消して核の傘も終了する一方、三沢や横須賀などの基地は使い続けるという内容だ。トランプ政権と人的な接点のある団体による構想だが、米政府の公式方針ではなく、米国内の専門家からも疑問が出ている。政治学者の伊藤隆太さんが日米同盟解消論の問題点を読み解く――。
普天間飛行場
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同盟を終えても「日本の基地」は残したい

日本を守る同盟は終わらせても、日本の基地は使い続けたい。そんな主張を展開する、米シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」の提言が国内メディアでも注目を集めた。いわゆる日米同盟解消論だ。

この提言は米国でも報じられた。米軍関係者向けの新聞「スターズ・アンド・ストライプス」は9月23日、トランプ政権関係者と人的接点のあるシンクタンクによる太平洋での米軍大幅縮小案として紹介した。ディフェンス・プライオリティーズの元寄稿者には政権の情報・国防関連ポストに就いた人物もいる。ただし、米国の主要メディア全体で大きな論争になっているわけではなく、政権が採用した方針でもない。

問題は、日本を守る約束が縮むのに、日本が基地を提供し続ける場合の条件だ。有事に米軍が基地を使えば、基地や周辺の街が攻撃されるおそれがある。日本には何の危険が残り、米国からどんな支援を得られるのか。本稿では、米国での反応も踏まえ、提言の実効性と日本が基地使用を認める条件を考える。