「嫌い」の中にある子どもの感じ方

嫌なものがあって、それが少しでも入っていると気づく子もいます。驚くほどの検知力です。でもそれは、子どもが不快な味覚や感覚を知り始めたということでもあります。

食材の苦味かもしれません。食感が嫌だったのかもしれません。スプーンやフォークの金属の音や響き方、口当たりが気になる子もいます。食器が口に触れたときに、食器用の洗剤の匂いや味を感じる子もいます。嫌がるものがある。

その拒絶感にお母さんやお父さんが気づけることは、1つの発見でもあります。

食べたくないものが出ると、いつも手で食べ物を払い落としていたお子さんがいました。最初は軽く避けるような動きでしたが、少しずつ強く払い落とすようになっていきました。

「イヤだ」「無理」「いらない」という拒否感が、まだ言葉ではうまく表せず、身体全体で表現していたのです。

手で払い落とす。顔をそむける。身体を引く。口を閉じる。それらは、「食べたくない」というメッセージでした。そのメッセージを受け取った大人は、代わりのものを作って出すようになったといいます。こうして、同じことが繰り返されるうちに、その子の中で「嫌なときは払い落とす」ことが、1つの方法になっていきました。

食事中に泣いている女の子
写真=iStock.com/Galdric
※写真はイメージです

この場合、食べ物を払い落とす行動を止めるだけでは足りません。

食べられなさの背景には、感覚の違いや、嚙む・飲み込むことの難しさ、身体的な不調が隠れていることもあります。

拒否の行動だけを見るのではなく、その子にとって何が難しいのかを確かめることも大切です。

払い落とす以外の伝え方を一緒に探す

嫌いなのかな? 食べたくないのかな? 食べづらいのかな? 今は、まだ食事をしたくないのかな? と、まずはその子の状態を知ろうとする。そのうえで、払い落とす以外の伝え方を一緒に探していきます。

たとえば、横に置く、首を振る。手で「いらない」と示す。お皿の端に置く。言葉が出る子であれば、「いらない」「あとで」と言う。そうした、やりとりを重ねながら、その子に合った伝え方を少しずつ身につけていきます。

食事の場面で大切なのは、食べない子を何とか食べさせることだけではありません。

子どもが「イヤだ」「いらない」「今は食べたくない」「ここに座らせられたくない」と感じたときに、その感覚を大人が、わかろうとしてくれていること。そして、払い落とす以外にも、自分に合った伝え方を少しずつ見つけていくことです。

食事の場面は、食べることだけではなく、自分の感覚を伝え、相手とやりとりしていく場でもあります。