どうにかならんか、民主党! ブレる菅首相、駄々をこねる小沢一郎、政策の一貫性まるでなし。そう嘆いても、しかし世の中がよくなるわけではない。民主党に言いたい。この再建プランを丸呑みしたらどうか、と。絶対、世の中は変わる、よくなる。

 

裏技に頼らない現実的な策

民主党政権の低迷が続く。

昨年末には報道各社の世論調査で、内閣支持率が20%前後まで落ちた。

「お家芸」ともいえる党内抗争も勃発。新聞、テレビは競うように政権の無能力、無気力ぶりを指弾している。こんな状況に食傷気味の読者も多いことだろう。

それならこの正月ぐらい政権のダメなところをあげつらうのではなく、浮上の可能性について、まじめに考えてみたい。

題して「民主党政権を再生させる7つの方法」。ここでは小沢一郎元代表らの動きや、政界再編、大連立も含めた政局の展開を排除して考えた。つまり政界再編という「裏技」に頼らないでも政権を浮揚できる現実的な策を考えた。

 

1.仕分けの「完全民営化」

民主党政権にとって、最大のヒット作が政府の行政刷新会議が行う事業仕分けだったことに異論を挟む人は少ないだろう。

もともと事業仕分けは、自公政権が概算要求した予算のムダを削るために行われた制度で、2010年は行われない予定だったが、独立行政法人や公益法人を対象とした第2弾、特別会計の仕分けなどを行った第3弾と続いてきた。

注目度は下がり「民主党がつくった予算を民主党が仕分けるのか」「法的拘束力のない仕分けは無意味だ」などの批判も出てきた。だが筆者は、仕分けは続けるべきだと考える。

予算査定の「見える化」は国民には貴重な場面であることに変わりはない。仕分けを廃止したとき、喜ぶのは官僚だ。仕分けを嫌う官僚たちが政務三役やマスコミを使い「仕分け限界論」を唱えている。そのペースに乗ってはいけない。

ただし、仕分け方法のリニューアルは必要だ。ここでは仕分け人を全員民間人にすることを提案したい。

仕分け人は、これまで民主党議員が中心になりエコノミスト、有識者らが脇を固める布陣だった。一方、省庁側の説明者は、当初は官僚だったが、第二弾、第三弾となるに連れて副大臣、政務官ら民主党議員が務めることが増えてきた。

民主党政権は政治主導で予算を編成しようとしているのだから、それ自体は当然のことだ。だが仕分け人も説明者も政治家だと、なれあいの印象を与えてしまう。

だから仕分け人は完全に民間人に委ねるのだ。民間人といっても民主党お抱え学者を並べるだけでは意味がない。むしろ自民党寄りの人物も加えたほうがいい。

一例を挙げれば元経済財政担当相の竹中平蔵氏らが加わり、政府の副大臣、政務官と激論をすれば再び注目が集まるだろう。

自民党の河野太郎衆院議員ら、参加に意欲を見せる野党議員を招き入れる度量を見せてもいい。そうすれば仕分けの議論は活性化する。

また「敵」側の有識者を迎え入れることで政権のブレーンを増やす副次効果もある。

 

2.マニフェストを仕分ける

リニューアルした事業仕分けでは、民主党マニフェストを仕分けてもらいたい。

09年の衆院選マニフェストは、子ども手当、農業の所得補償、高速道路の原則無料化などを盛り込んだが、その多くは行き詰まっている。税収見積もりを間違えたことと、ムダの削減が期待通り進んでいないことによる財源不足が原因だ。その結果、マニフェストの主要政策の扱いは、あいまいなまま推移し、見直しを図る政府と順守を求める小沢氏らの対立を深める要因にもなった。

だからこそ、密室ではなくオープンな席でマニフェスト政策を仕分けるのだ。手塩にかけてつくった政策を自分たちの手で切り刻むのは忍びないだろう。

だが、事業仕分けの考えは「費用対効果」だ。マニフェストの理念は尊重しつつ、その理念を実現するために効率が悪い部分を修正するというアプローチで議論を進めればいい。自分たちの政策を、冷静に仕分ける姿は、国民にも好印象を与えるはずだ。