セブンカフェは、1杯100円(発売当時、現在は130円)という手ごろな価格で、徹底して品質を追求した。年間10億杯以上売り上げ、セブン‐イレブンは「日本で一番コーヒーを販売する店」となった。

〈鈴木語録〉
忘れてならないのは、「上質さ」も「手軽さ」も中途半端だと“不毛地帯”に陥るということだ。顧客の支持を失うだろう(図表③)。
【図表】トレードオフ戦略
筆者作成

競合相手はライバル社でない

セブン‐イレブンの強さの秘密の第3は、「絶対価値」を追求することにある。

〈名言〉真の競争相手は競合他社ではなく、絶えず変化するお客様のニーズである


〈鈴木語録〉
お客様の期待度は一定ではなくどんどん増幅します。お客様の求める100点満点のレベルが、次は売り手側にとっては120点のレベルに上がる。そのため、売り手が140点のレベルを提供しなければ、お客様は満足しません。

お客様にとって「満足」のレベルが、次は「当たり前」になり、やがて「マンネリ」に感じられて、「飽きる」に変わる・売り手が同じレベルを続けているだけでは、お客様は離れていくだけです(図表④)。

【図表】顧客の期待度は常に増幅する
筆者作成

鈴木氏が商品開発で求めたのは「絶対的な価値」だった。

〈鈴木語録〉
自社の商品は90点、他社は70点程度だから、自社のほうが勝っていると考えるのは、相対的な価値を競う世界です。しかし、どこの商品が優れているか劣っているかといった相対的な価値の比較は本来、買い手であるお客様がすることであって、売り手側がすることではないのです。

売り手として目指すべきは絶対的な価値の追求です。絶対的な価値は、お客様により満足してもらいたいという自分たちの思いや価値観を大切にし、「あるべき姿」を追求することによってもたらされる価値です。