相手を納得させる謝り方
「その点はすみません」。一見丁寧に聞こえますが、受け取る側には独特のモヤモヤが残る言葉です。
なぜかというと、「その点は」が一部だけを認める限定の言葉になっているから。まるで「ここだけは私が悪いけれど、それ以外は認めていませんよ」と線を引いているように映ります。
相手からすれば、一部しか謝ってもらえていない物足りなさが残ってしまいます。つまり部分的な謝罪は、全体を受け止めてもらえていない気持ちになり、残りの部分への不満をかえって際立たせてしまうのです。
さらに「すみません」はカジュアルな印象を与え、軽い会釈程度にしか響かないこともあります。「その点は」と「すみません」が合わさると、あまりに軽い対応に聞こえてしまう。指摘した側は「ちゃんと全体として伝わっているのかな」「本当に反省しているのかな」と不安になります。
そこで「以後、気をつけます」に言いかえてみてください。短い言葉ですが、この言葉には「同じ過ちを繰り返さない意志」がしっかり込められています。
しかもこの言葉には範囲の限定がありません。「その点は」のように問題を区切るのではなく、姿勢そのものを改めるという宣言になっている。相手は「全体として受け止めてくれた」と安心できます。
セミナー講師、司会者、元ラジオパーソナリティ。大阪府出身。これまで企業や自治体の式典の司会者、イベントMC、ラジオ特番や番組のメインパーソナリティを担当。聴き手・読み手が心地よく、親近感や前向きな印象を感じられる「言いかえ」を十数年にわたり研究。2023年に「フォローしたくなるインフルエンサーアワード」で最優秀賞を受賞。著書に『なぜか好かれる人の言いかえ手帖』(SBクリエイティブ)がある。
