健康で長生きするためには、どうすればいいのか。医師の早坂信哉さんは「お風呂に浸かることを毎日の習慣にしてほしい。ただ、健康効果を実感するためには、入浴剤や温度、過ごし方で注意してほしいことがある」という――。(第2回)

※本稿は、早坂信哉『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』(アスコム)の一部を再編集したものです。

お風呂にオレンジ色のバスボムを浸ける手
写真=iStock.com/ANGHI
※写真はイメージです

「40℃に10分入浴」でペットボトル1本の水分を失う

私が25年以上、医学的に入浴を研究して導き出した「誰にとっても安全で」「最大限効果を引き出せて」「無理なく続けられる」入浴法。それは、40℃で10分間、肩までお湯に浸かるという方法です。その効果は、第1回でもご紹介しました。

それでは、40℃で10分入浴すると、どれくらい汗をかくと思いますか?

(A)おちょこ1杯分
(B)コップ1杯分
(C)500mlのペットボトル1本分

答えは、Cの500mlのペットボトル1本分です。場合によっては、1.5本分強、800mlもの汗が出ます。短時間で、これだけの水分が体から失われるわけですから、そのまま水分を補給しなければどうなるでしょう? 「熱中症」です。

お風呂で熱中症? と思いますか? しかし、800mlもの汗をかいて、水分を取らなければ、体温調節がうまくできなくなります。すると体に熱がこもって、熱中症になってしまうのです。実際、入浴中の体調不良の多くは熱中症が関係していることがわかっています。高齢の方は特に、感覚機能の衰えによって喉の渇きや、体が温まりすぎていることに気づきにくいため、熱中症リスクが高まるので要注意です。

お風呂での熱中症予防は簡単です。水分が失われるのですから、その分の水分を補えばよいのです。ポイントはたった1つ、入浴前・入浴後に分けて水分を取るということ。

入浴剤のなかでも「炭酸系」がおすすめ

人間の体が一度に吸収できる水分量は限られています。ですから、入浴前にまとめて飲むのではなく、前後に分けて体に吸収させましょう。入浴中に水分を取るのもおすすめです。

ちなみに、湯上がりに飲むキンキンに冷えたビールはおいしいですが……アルコールは水分補給にはなりません。それどころか、アルコールは利尿作用があり、脱水を悪化させます。危険な血圧低下や、血栓ができるリスクもあるので、ビールだけではなく、水やミネラルが豊富な麦茶も一緒に飲んで体をうるおしましょう。

また、入浴剤は入れてもいい? というご質問も受けます。私の答えは、「ぜひ、積極的に入浴剤を入れてください」です。というのも、入浴剤には、健康効果が医学的に裏付けられているものが多いからです。なかでも、炭酸ガスを含んだ「炭酸系入浴剤」はおすすめです。炭酸が皮膚から吸収されると血管が広がり、血流がよくなります。これまでお話ししてきた、温熱作用の効果を後押ししてくれるのです。

とはいえ、炭酸系入浴剤はけっこう高いですよね。毎日使うのは、ためらわれます。それでしたら、手作りしてはどうでしょうか。炭酸系入浴剤は、案外簡単に手作りできます。

○準備するもの
重曹(食用)・・・30g
クエン酸(食用)・・・15g

○作り方
重曹とクエン酸をよくまぜたらでき上がり。

○使い方
180~200Lのお湯を張った湯船に入れて溶かす。