「起業」ではハードルが高いかもしれないが、「副業」と考えればどうだろう。『最新世界資格チャレンジ・ブック』の著者、上田信一郎氏は「日本人は資格が好きなうえに、輸入物に弱い。海外の知られざる資格を使って副業を展開することは十分に可能だろう」と語る。

<strong>榎並太平</strong>●1977年生まれ。2005年東京大学大学院理学系研究科博士課程満期取得退学。同年、アクサ生命保険に入社。08年8月CFA試験レベル3に合格。現在はリスク・収益分析課に在籍。
榎並太平●1977年生まれ。2005年東京大学大学院理学系研究科博士課程満期取得退学。同年、アクサ生命保険に入社。08年8月CFA試験レベル3に合格。現在はリスク・収益分析課に在籍。

「たとえばオーストラリアの『ドッグトレーナー』。国内では家庭犬の訓練はまだ確立されていません。あるいは中国の『茶芸師』。カルチャーセンターは目新しい講師を常に募集していますから、ニーズはあるでしょう。イギリスの『チャイルド・マインダー』というベビーシッターの資格も面白い。短期間で取れる各国の職業資格の中にも有望なものはいくつもあります」

そういえば「ソムリエ」も、田崎真也氏が世界コンテストで優勝してから大ブレークした。日本では未知の分野の資格を取ってハクを付け、「カリスマ」を目指すという方法もありというわけだ。

最後に資格取得における貴重な「副産物」を紹介しておきたい。

「入社してからCFAの勉強会に参加しました。独学なら簡単に挫けたかもしれません。一緒に勉強することで、お互いの刺激になり、エネルギーを補充できます。今でも10人くらいの仲間とミクシィで週に一度はコンタクトしていますよ」(前出・榎並氏)

資格を取るためだけでなく、こうした社外の「仲間」は、厳しい時代だけに何かと頼りになるはずだ。

(いずもとけい=撮影)