60代後半までと70歳以降は「明らかに違う」
実際に自分が70歳を過ぎた頃に、実は「黄金時代」というべき60歳から74歳までは、さらに2つの時期に分けられると思い至った。つまり60代後半までと、70歳以降とは明らかに異なるのだ。
定年から10年も経つと、会社員時代に付き合っていた人間関係がなくなってくる。それに伴い、現役時代の匂いもほとんど消えてくるのだ。
また、肉体的にも「老い」という現象が本格的に始まるのは、70歳くらいからだろう。この点については個人差が大きく、60代で大変な病気を経験する人もいる。しかし多くの70代は、「70歳あたりを機に老いを実感し始めた」という表現に納得している。
70代に入ると健康や病気の話題が増えてくる
私の場合でいえば、70歳直前でリウマチになった。初めは手首が痛くてたまらず、パソコンの使いすぎによる腱鞘炎かと思って整形外科に通った。しかし診断がつくまで多くの時間を要した。
この時に自らの老いをはっきりと自覚したのである。とにかく70代に入ると、周囲でも急に健康や病気の話題が増えてくる。
また先輩方から次のような声を多く聞く。70代になってから海外旅行に行く意欲がなくなった。国内旅行でも体力が回復するまでの日数が長くなった。朝のビュッフェが食べ切れない。飲み会に行っても二次会に参加すると翌朝の疲れがひどい。初めて電車で席を譲られた――。
70代にもなると気力や体力の衰えが顕著で、60代前半のように前向きに幅広く活動することが徐々に難しくなってくるという。
「再生工場」と呼ばれた野村監督が指摘したように、年の重ね方に応じて自身に合った暮らし方を見つけていくことこそが、人生後半戦を充実させるポイントだと感じてならない。

