早稲田実業初等部対策は150万円で可能

将来、子供を一流大学に入れたいが、お受験してエスカレーター式の名門私立小学校に通わせるのはお金がかかる。そんなイメージのせいか、首都圏では「小学校は地元公立、中学から私立中高一貫校」のコースを考える家庭も多い。しかし、このコース、本当に私立小学校に通うより安上がりなのか。

名門私立小入学に必要と思われているのが巨額のお受験費用。確かに半年で400万円かかるお受験教室もある。しかし、お金をかければ受かるものでもない。慶應幼稚舎入試では過去10年ペーパー問題が出題されていないのに、高い授業料の慶應幼稚舎コースでペーパーの授業を行う教室もある。これでは金をドブに捨てるようなものだ。

志望校の入試傾向に沿って準備すれば、お受験費用は安くなる。私立のもう一方の雄、早稲田実業初等部なら月10万円の月謝で対策可能。最低1年、できれば1年半前から準備を始めたいが、それでも総額150万円程度だ。

お受験を突破すれば、あとはノンストップ。通塾の必要も大学受験での浪人の心配もない。早稲田実業初等部6年間の学費(入学金、授業料等)に寄付金50万円を加えても、668万4000円(編集部調べ)。中・高等部の学費を足すと、早稲田大学入学までにかかる費用は総額約1336万円だ。

公立小から私立中高一貫校の費用はどうか。公立小6年間の平均費用は58万5330円(文部科学省「子どもの学習費調査」より計算)。同様に私立中・高の平均費用、塾代などの中学・大学受験の費用640万円を加えて、総額約1218万円。名門私立小に通わせた場合と比べ、その差は120万円弱。思ったより小さい差ではないだろうか。

また名門私立小学校には、お金に換算できない価値がある。最たるものが人脈。慶應義塾大学には幼稚舎出身者しか入会できないサークルがある。それだけ結びつきが強いのだ。子供のころから付き合う幼稚舎出身者は仲間意識が強く、就職や仕事でも互いに助け合いながら優位な地位を築く。早稲田実業初等部は設立10年目でまだわからないが同じ傾向があらわれるはずだ。