失敗は、“うまくいかないことの発見”

たとえば子どもに、何か大きな困難課題を与えると、それに対処する気持ちの持ち方が大きく2つに分類できるという。

ある子供たちは挑戦を楽しみ、試行錯誤を続ける。問題が解決できなくても、そこから何かがわかることを喜びとする。少しでも前進し、能力を開発することの大切さを知る。これが「成長型マインドセット」だ。困難にも真剣に 取り組み、「まだ」 の気持ちで、じっくり取り組んでエラー処理をする。そして、間違いから学習して修正していく。

かつてエジソンが「私は今まで一度も失敗をしたことがない。私は2万回も、電球が光らないと言う“発見”をしたのだ」という名言を残している。うまくいかなかったことは失敗ではなく、その方法では“うまくいかないということを発見”したという考え方だ。これこそ成長型のマインドセットの典型といえるだろう。

一方で、別の子どもたちは知能に評価をつけられることに慣れて、うまくいかないことを「惨め」「最悪」などと考える。そして、解決できないことを“失敗”だと捉えて、自分にダメの烙印を押してしまう。「まだ」と考えずに、今の状態にこだわって“ダメだ”と考えてしまうのである。これが「停滞型マインドセット」だ。後者の子どもたちが一度テストで失敗すると、次のときにはどうするだろうか。