2015年12月21日(月)

あなたの話に人を惹きつける7つの方法

達人に学ぶ「伝わる技術」 第65回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

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上野陽子=文
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話に人を惹きつけておくポイント7

人前で話すことは、大勢の前ではもちろんのこと、たとえ少人数でも緊張を伴うことが多いものだ。言葉の限りをつくして話すものの……、相手はこちらの思いなどどこ吹く風でうわの空。聞いていないな、と思うこともあるかもしれない。

話の名手たちには、各々に独自のコツがあるものだ。どれが絶対ということはないが、共通したポイントも見受けられる。話し上手な人やプレゼンが得意な人でも、必ず多くの練習を重ね、日々研鑚を積んで話に臨むことはご存知だろう。そしていざ本番になったとき、プレゼン上手とされるサイモン・シネックは、次の7つのことを大切にしているという。

まずは「登場したら一呼吸置くこと」。すぐに話を始めれば、ピリピリした緊張感が伝わってしまうからだ。人前にゆっくり出たら、深呼吸。話しやすい場所を見つけ、少し間を置いて話し出す。最初に話し出すまでの間を気まずく感じたとしても、相手にとっては、余裕と自信があるように見えるものだ。

そして、この連載で以前お伝えした聴衆と“同調ムード”をつくり上げることも必要だろう。聞き手を味方につけることで、あとの話はほぼ好意的に受け入れてもらえるからだ。心理学にアッシュの同調実験というものがある。長さの異なる棒3本の中で、どれが長いかを7人に問うものだ。本当の被験者はXひとりだけ。他の6人はサクラで、わざと間違えた答えを言う。全員が「A」と言うと、どう見ても「B」が長くても、Xは「A」と答えてしまう確率が圧倒的に高くなる。つまり、人は影響を受けやすく周りに同調してしまうのだ。同様に、全体的な雰囲気が好意的なムードに包まれれば、多くの場合その話し手も内容も好意的に受け入れられやすくなる。

受け入れてもらうために、くだけた話題から入ることはよくあるだろう。たとえば昨日の野球の結果を持ち出して、「負けましたね」「勝ちました!」と切り出すことはリスクを含む可能性がある。相手が勝ち負けで気分を害するかもしれないからだ。それよりも自分をネタに笑いを取るなど、誰の気分も害さないようにするほうが好ましい。ユーモアでなくとも、リラックスできるような誰も悪い気にならない話題から入り、聞き手を味方にするほうが賢明だろう。

次に「与えること」だ。

売りこみたい、コンペに勝ちたい、自分の考えをすばらしいと思ってほしい……。そう思って話し始めたとたんに、聞き手は話への興味を失いがちになる。誰もが、自分から何かを搾取しようすることには敏感に反応し、その瞬間に聞き手は離れていく。それよりも、相手が刺激を受けたり新しい情報を得たりと、何かしらのメリットを感じるような話を“与える”ほうが、ずっと人を話に引き付けておけるだろう。自分に役立つと感じること、新しい情報が得られることから、その先にあるプレゼンの目的が達成できるのだ。

さらに「この話は自分のためにされている」と感じてもらうためには、次のことが必要になる。

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