2016年2月1日(月)

タブーに挑戦! 近畿大学が明治・早稲田を抜いて日本一になった理由

達人に学ぶ「伝わる技術」 第66回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

執筆記事一覧

上野陽子=文
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明治・早稲田を抜いた理由

「固定概念を、ぶっ壊す。」

近畿大学 新聞広告

そんなキャッチコピーがついたポスターの絵柄は、山のてっぺんからまぐろが頭を突き出したもの。テレビや新聞、雑誌などで見たことがあるかもしれないこのポスターは、近畿大学の広告だ。かなり評判になったものだが、今でもこの絵はインパクトがある。その後も「マグロ大学って、言うてるヤツ、誰や?」とマグロが横目でギロリとこちらを見るポスターや、飛行場にマグロが並び、1匹が遠く空へ飛び立っているものなど、インパクトがある広告を仕掛けてきた。

近畿大学広報部長の世耕石弘さんは、このポスターを前に「タブーを壊すことで、新しいものが生まれるんです」と話す。

ただおもしろがってマグロをポスターにしたわけではない。これもご存知の方が多いだろう、世界で初めてクロマグロの完全養殖化に成功した大学だからこそだ。今までの大学なら「マグロの完全養殖化に成功!」と実績を全面に押し出し、偉業を成し遂げたにもかかわらず楽しいキャンパス、と演出したかもしれない。ところが、世界的な研究成果を逆手にとって、自分たちを「マグロ大学」と揶揄するような、今までにない視点で注目を集めたのだ。関西特有の「ボケたらつっこんでやー」と言われているような、そんなノリすら感じられる。

「大学には、なんぼでもタブーが存在します。それを破るだけでびっくりされます。」

タブーを破る。それだけでマスコミの視線を始め、SNSなどを使ってますます広がり注目を集める。すると、とてつもない宣伝広告の効果が生まれていく。

さまざまな“インパクト”が功を奏して、今や近畿大学は明治や早稲田を抜いて、大学志願者数・日本第一位を続けている。そこには、まだたくさんの“仕掛け”が存在する。

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