2015年11月2日(月)

必ずできる! うまくいく人の「マインドセット心理学」

達人に学ぶ「伝わる技術」 第62回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

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上野陽子=文
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成功のマインドセット“まだ”

「まだ」できる、「まだ」できていないだけ……。そんな「まだ」のたった2文字が、未来を大きく変えるという研究がある。たとえばこんなときに効果を表す――。

テレビで漫才師のコンビが30分程けん玉に挑戦する実験があった。ふたりに「けん玉を軸に刺してください」とお題を出すものの、実際の目的は、心理学者が成功するまでのプロセスを観察して、ふたりのマインドセット、つまり考え方の基本的な枠組みを見ることだった。

番組としては、「チキショー! ダメだ」と言わせたかったかもしれない。ところが、ひとりは「よしもう少しだ」と自分を鼓舞する風の言葉を言い続け、ひとりも黙々と「こうすればできそうだ」と方法を模索していった。詳細やけん玉が入ったかどうかは覚えていないが、失敗しても「ムリだ」という言葉は決して発せず、「あと少し」「できそうだ」と前向きだ。心理学者の結論は「ふたりともポジティブなマインドでいいですね」だった。

そこに見られるのは「“まだ”できていないだけ」⇒「いつかできる」⇒「だからやろう」⇒「では、どうやっていくか考えよう」といった流れだ。

困難なことにあたったとき「自分にはムリかもしれない」と思うころがある。「不合格」「失格」「C」などの烙印を押された瞬間に気持ちは萎えてしまうものだ。ところが、「ダメ」ととらえずに「まだ、できていないだけ」と思うだけで、気持ちはずいぶんと楽になる。“未だ来ず”なだけだから、これから先の“やり方しだい”で道は開けると考えるわけだ。

ここで大切になるのは、「まだ」から「いつか」にいくまでの過程を、いかに過ごすかだ。スタンフォード大学心理学教授のキャロル・ドウェックは、成功するタイプのマインドセットをこんな風に提唱している。

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