＜柴田の問題意識＞

サラリーマンにとっての憧れの仕事の一つ。それは自分のバーを開くことかもしれません。いつか自分のお店を持ちたいという話をよく聞きます。しかしこれ、単なる夢物語で終わることが多いのもまた現実。今回登場していただいた竹浪さんはその「夢」をある日、ポン！と実現させた人。その思い切りの背景や心象風景についてお話しいただきました。

 

竹浪みちる（たけなみ・みちる）●「bar IMOMI」オーナー

1975年、東京都生まれ。1998年日本大学芸術学部卒。現ジュピターテレコムの制作職や編成職を経て、2009年新橋に焼酎BAR「IMOMI」をオープン。焼酎アドバイザーの資格を持ち、顧客との対話からその日にぴったりの選りすぐりを勧めている。

>>bar IMOMIのブログ

柴田励司（しばた・れいじ）●インディゴ・ブルー代表取締役社長

1962年、東京都生まれ。85年上智大学文学部卒業後、京王プラザホテル入社。在蘭日本大使館、京王プラザホテル人事部を経て、世界最大の人事コンサルティング会社の日本法人である現マーサージャパン入社。2000年日本法人社長就任。その後、キャドセンター社長、デジタルハリウッド社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任して現職。

>>Indigo Blueのウェブサイト

「いつかはバーを」の思い、常に

――バーのオーナー。憧れる人も多いと思いますが、まずどういう経緯で脱サラをしてバーのオーナーをすることになったのか。そこから教えてください。

とにかくお酒がすきで、人と話すことも得意だったので、いつかバーをやりたいと思っていました。学生時代のアルバイトも接客業が多かったですね。一方で、大学では放送について勉強しておりまして、私が卒業をする頃がちょうどCS放送が始まるタイミングだったんです。日本において有料放送ってどんなものになるのだろうと思い、1998年4月、現ジュピターテレコムの子会社であるジュピタープログラミングに入社をしました。

――いつかバーをやろうと思って、アルバイトも接客業。それだけはっきりと決まっていたのなら卒業後、飲食店やバーに勤めようとは思わなかったのですか。

卒業してすぐにやろうとは思いませんでしたね。学生の頃は、まずは放送の業界に飛び込んでみたいというのが夢でしたし、結果10年も務めたくらいですから働きがいもありました。けれど、常に、「いずれはバーをやりたい」という思いを抱えていましたね。

――飲食店に“勤める”のではなくて、“自分のお店”を持ちたかった。

そうですね。

――それは現ジュピターテレコム入社時からですか。

入ったときから……。うーん、そう、ですね。

――その時の人事担当の人は多分見ないと思うから大丈夫ですよ（笑）。

（笑）。いずれはというのは、当初からあったと思います。