▼白川さんからのアドバイス

弁護士 白川敬裕 しらかわ・たかひろ●東京大学4年在学中に司法試験合格。最年少(当時)の24歳で裁判官に任官。3年間執務し、2003年弁護士に転身。東京弁護士会所属。

時間が惜しいからと闇雲にテキストを読み始めたり、問題集に取りかかってはいけません。本当に勉強の効率を重要視するなら、最初に時間をかけて行程表をつくるべきです。そのとき大事なのは最短でゴールに到達するプランにすること。ゴールまでが長いとどうしてもダレたり、途中で挫折しやすくなります。

行程表の中身が自分に適したものであることも重要です。他人のやり方が自分にもそのままあてはまるとは限りません。私の場合も予備校のモデルプランをそのまま使うのではなく、自分流にカスタマイズした行程表に変えました。いまなら、インターネット上に公開されている合格体験記なども参考になると思います。合わなければやめて、別のやり方を試すというのを繰り返しながら、早く自分に最適なやり方を構築することです。

また教科書は一冊だけを選び、ボロボロになるまで使い倒すのが、受験のときのセオリー。しかし、社会人になってからの専門外の勉強では、意気込むあまり、いきなり分厚い専門書に取り組んで挫折といったことが起こりがちなのも事実です。それを避けるにはむしろ、初期の段階で薄くてわかりやすい入門書を何冊か読むほうをおすすめします。最初に勉強する分野の基本的なイメージや大枠をつかむことができ、けっきょくは時間の節約になるのです。

ちょっとした空き時間にも読めるよう、常に本を数冊携帯するのもポイントです。ホームで電車を待っているときや、打ち合わせ場所に早めに着いてしまったときなど、隙間時間というのは意外とありますし、集めればけっこうな量になります。