日本の新規感染者数は圧倒的に少ないという事実

日本政府の新型コロナウイルスへの対策は不十分だったのだろうか? たしかにダイヤモンド・プリンセス号の対応に関しては、「公衆衛生の危機対応として、教科書に載るような悪い例」と米有力紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じるなど、国内外から大きな批判を浴びた。しかし、ふたを開けてみればどうだろうか。韓国、イタリア、イランの感染者数・死亡者数が目立ち、ヨーロッパ各国も軒並み日本よりも深刻な状況だ。日本は現状、被害を最小限で食い止めたという見方を、元外務省主任分析官の佐藤優氏が示す。

「日本政府の対応ですが、私はスピーディーに行われていたと見ています。たとえば、WHOは2020年1月30日に、新型コロナウイルスを世界的な緊急事態と宣言しています。日本はWHOの決定を待ってから動くことが恒常的ですが、それよりも早く手を打っている事例もあります」

あまり表には出ていない話だというが、発生当初、医務官を含む日本大使館員が北京から武漢へすぐに駆けつけた。チャーター機を飛ばして邦人を帰国させるという動きがあったという。

※WHOは17日のイランの新規感染者数を0としている。