長らく二の足を踏んでいた株式投資をいよいよ始めたい。だが十分な手元資金はない。かのウォーレン・バフェットに相談したら何と言うだろう? 小さく生んで大きく育てる少額投資の王道を伝授する。

ただ貯金するより、3倍近い金額に

「資産形成は一刻も早く始めるに越したことはありません」

時事通信フォト=写真

そう強調するのは経済評論家で個人投資家の加谷珪一氏だ。

十分な手元資金がなくても心配はいらない。月々の投資額がたとえ3000円でも、長期間の積立投資を続けられれば大きな違いを生む。そこで参考になるのが、「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットの投資法だ。

「バフェット氏は流行り廃りのない、超優良銘柄を選びます。たとえばコカ・コーラ、ウォルマート、ウェルズファーゴ(米国の地銀大手)など、人々の消費生活の基礎になっている企業なら安定成長が見込めます。いわゆる内需銘柄への投資が多いのが特徴です」

バフェットの投資スタンスで日本株を選ぶならどんな銘柄になるか。

「日本の経済は製造業中心の輸出主導から内需経済に移ってきていますから、主力銘柄が変わりつつあります。それでも、いまだにトヨタの株は超優良銘柄です」

ほかに、EV化の追い風を受ける日本電産やIoTの代表銘柄であるTDKもオススメだという。

「株式投資の基本はバフェットも好む『バイ&ホールド』です。長期間保有し続け、短期の値動きではなく、長期的なリターンを狙います。値上がりしたとき、心理的に揺さぶられないためにも、持ち続けていようと思える配当が出る銘柄を選びましょう」

では毎月3000円の投資を続けるといくらになるのか。加谷氏によると、「過去の日本株のパフォーマンスから、株式投資の利回りは年平均6%」。

これを基に試算すると、たとえば40歳の人が毎月3000円を投資に捻出すると年3万6000円。30年間続けると、70歳を迎える頃には300万円を超える計算になる。ただの貯金では108万円にしかならないことを思うと、元手が3倍近く増えるわけだ。