パズルで算数脳は鍛えられる。そう断言する京大研究生が作った12問。第1回目は「計算力」にまつわる問題を紹介します。

パズルで京都大学に受かるまで

京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程在学中の東田大志さん。日本唯一のパズル学研究家として活躍。パズルの啓蒙活動にも力を入れている。

私は関西の進学校に通っていたものの、成績が悪く、数学のテストでは20点台を取るなど、成績は学年下位。高校3年の春の時点では、京都大学合格には程遠い状況でした。

しかし、本格的に受験勉強を始めた高校3年の夏休みから成績が伸びはじめ、数学に至っては1カ月で偏差値が30以上も伸び、無事、京大法学部に現役合格できました。

大学入学後に分析をしたのですが、成績急上昇の理由は、幼少期から親しんできたパズルにあったのです。昔からパズルが大好きで、高校でも週に1回、友人たちに自作のパズル問題を配っていました。

今ではパズル好きが高じて、京都大学大学院で、日本唯一のパズル研究家として、パズルの研究をしています。

パズルだけでなぜ学力が伸びるのか

私が考えるに、算数の能力は3つの要素から構成されています。

「計算力」「図形力」「論理力」です。

これらは、日常生活や学校でも鍛えられるのですが、パズルの場合、答えに至るまでに試行錯誤を繰り返さねばならないため、学校の授業よりも能力を育てる面では効果的です。

この3つの力を身につけておけば、算数の考え方や知識に対する吸収力が違ってきます。

私の場合、公式や定理といった最低限の知識を覚えるだけで、数学の力はみるみるついていき、気づいたら京大合格レベルにまで達していました。表面上の数学の成績が悪くても、数学の基礎力や概念を理解する力が、パズルを通じてしっかり育っていたのだと思います。

脳の基礎体力作りとして、是非、親子で取り組んでみてください。