自分が今、どの仕事にどれくらい時間をかけているか

努力の「質」さえある程度高めることができれば、「量」を増やすのはさほど難しいことではありません。努力の濃度を高めていくだけで、必然的に努力の量は増えていくからです。

まずは、現状の「努力の濃度」を計ってみます。

勉強という分野における努力の濃度を計るためにストップウォッチを活用しましたが、これは仕事においても活用可能です。

自分が今、どんな仕事にどれくらいの時間をかけているのかを、ストップウォッチで計ってみましょう。たとえば会社から、「年間1億円の売上をあげる」という目標を課せられていたとします。その「年間1億円の売上をあげる」という目標に向かって必要な努力を積み重ねている時間と、そうでない時間をあぶり出すのです。

勤務時間の「棚卸し」をすると無駄が見えてくる

仮に毎日、会社に12時間いたとしても、本当に努力している時間というのは案外少ないものです。同僚と談笑する時間もありますし、食事後の仕事でついウトウトしてしまう時間もあります。

青笹寛史『凡人でも「稼ぐ力」を最大化できる 努力の数値化』(KADOKAWA)

仕事のように見えて、目標には結びつかない無駄な時間もあります。「この会議、意味あるのかなぁ……」と感じながら出席してぼーっとしている会議の時間もそうですし、上司に言われて仕方なく、とくにつくる必要のなさそうな資料をつくっている時間もそうです。

コピー機が詰まってしまって余計な時間を食うこともありますし、メールの返信の文面に悩んで想定以上の時間をとられてしまうこともあります。

会社という空間は思いのほか、無駄な時間が生まれやすい空間なのです。

そこで、ストップウォッチを活用します。自分の勤務時間の「棚卸し」を行うのです。

私の周りの人たちにも、実際にストップウォッチで時間を計ってみてもらったことがあります。ほとんどの人が、勤務時間のうちの60%ほどしか、目標に向かって必要な努力をしていませんでした。午前9時に出社し、お昼休憩の1時間を挟んで午後8時まで、正味10時間分の仕事を頑張ったつもりでも、現実には6時間分の努力しかしていない計算になります。

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