高齢になるほど増える「保健医療費」

次に、高齢者世帯の消費支出の特徴と変化を見てみよう。家計調査を見ると、消費支出は、「食料」「住居」「光熱・水道」「家具・事用品」「被服及び履物」「保健医療」「交通・通信」「教育」「教養娯楽」「その他」の10大費目別に分けて見ることができる。このため、消費支出の10大費目別に分けて、2人以上の世帯平均に対する倍率を計算すれば、高齢者世帯の消費支出の傾向がわかる。

そこで、10大費目別に2人以上世帯平均に対する倍率を計算すると、高齢者世帯は「保健医療費」への支出が多く、世帯主が60~69歳の世帯で平均より1.11倍、世帯主が70歳以上の世帯で平均より1.14倍も支出していることがわかる。

これを金額で見ても、2人以上の高齢者世帯は保健医療費として世帯主が60代世帯で月1万4659円、世帯主が70代以降世代に至っては月1万5135円となっており、2人以上平均の1万3227円よりも月2000円近くも多くの支出をしていることがわかる。さらに細かい費目別に見ると、特に「保健医療サービス」や「医薬品」「健康保持用摂取品」への支出が増えているようだ。